NHK仙台が震災10年を期して制作した「ペペロンチーノ」をみた。おもしろかった。1時間堪能。いつ地上波来るのかと思っていた。ようやく土曜の午後5時。

草彅くんはやはりあんまり感情が伝わらないんだよなあ。顔かな。心の動きが少なく、大河の慶喜なんかははまり役だろうが、もうひとつぐっとこなかった。感情過多の人よりはいいかもしれないが。

最後にどんでん返しがあり、ドラマとしては面白く、うならされた。でも、あれは被災者はどう思うのかなあ。津波で身近な人をなくした気持ちに寄り添った演出なんだろうか。

「被災者でなく一人の料理人として評価してくれた」とか「亡くなった人への献杯でなく頑張った自分への乾杯」とか、生きている被災地の人々の心情を汲み取ろうとしていた。新しい視点を得られた。

矢田亜希子に言わせた「10年なんて外の人のためのもの」みたいなセリフも重い。そうだなあ。メディアは勝手に節目作って騒ぐ。水面下では取材してるだろうが、節目を過ぎると別の話題に映っていく。

出演者では吉田羊と國村隼がやっぱりよかったなあ。主人公への寄り添い方が優しい。泣けるわ。矢田亜希子のさばけ方にもびっくりした。かなりこれから演じる場所が増えそう。

被災者のいまの気持ちを考えるというところで、学ぶべきことが多いドラマだったと思う。ドキュメンタリーでは描けない人の思いってあるんだなあと感じた。

人ってときに思わぬことを考えていたりする。それで一歩踏み出せたり、躊躇したり。真の友はそれを見届けてあげるんだろうな。それは違うと言う必要もないし。こうしろとも言えないし。